太陽光発電は、気温が上昇するとエネルギー変換効率が下がると言われております。
これには、太陽光発電の特性である、「温度が上昇すると発電電圧が下がり、温度が下がると発電電圧が上がる」ことに由来します。
これには、「バンドギャップ(禁制帯幅)」が深く関わってきます。
原子の回りにはいくつかの軌道があり、電子は何れかの軌道に属しています。そして、この軌道についてエネルギーが決まっていますので、電子の取れるエネルギー(エネルギー準位)は離散した値を取ります。
原子の数が複数個(N)の場合、原子間の相互作用によりもともと1本だったエネルギー準位がN本に分かれます。これは帯状に分布する為、「エネルギー帯(エネルギーバンド)」と呼ばれます。
導体には、電子の詰まったバンドと電子の詰まっていないバンド、空のバンドが存在します。電子の詰まっていないバンドの電子は自由に動き回ることができます。
一方、半導体は、電子が詰まったバンドと空のバンドしかありません。 電子が動くためには、1つ上のエネルギーバンド(空のバンド)に飛び移らないといけません。
このエネルギーの差をバンドギャップといいます。
温度が上昇すると、このバンドギャップが減少します。バンドギャップが小さいと小さなエネルギーで電子が飛び移ることができますので、低い電圧となり(出力電圧の低下)、変換効率の低下となります。
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