2016年6月16日木曜日

(ブログ) シリーズ:土地購入から太陽光発電所引渡まで(第11回)

(第10回)に続く  http://goo.gl/Tty3LK


【第一章 ~産みの苦しみ~ その⑩】

平等院裏山から聞こえてくるヒグラシの鳴き声が、また一夏終わると、センチメンタルな気分にさせた。

しかし、自分に課せられた太陽光発電の用地獲得missionをクリアするまで、この夏は終わらない、否、帰れない。底知れぬ恐怖に身震いし、車を前進させて生垣から好好爺が出てこられるのを待った。

「よーし、行こうけー」

後方からの声に驚き、振り返ると平等院の門扉から二本のオロナミンCを振りかざした好好爺が現れ、勢いよく助手席に乗り込んできた。好好爺はいつも予想外の所から現れる。

急遽の移動に乗じてわざと置いてきたオロナミンCを運転席のホルダーに投げ入れると、平等院別館の屋根に輝く太陽光発電を指差し、好好爺はニヤリと笑った。

「あれだろ?」

「あれです!」

    ~つづく~

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