こんにちは、私は太陽光発電用地の仕入れ、施工に携わっていますが、 皆さんに太陽光発電所をお引き渡しするまでの物語について、シリーズで お届けしたいと思います。
【第一章 ~産みの苦しみ~ その②】 山間部の集落は、立派な門扉の奥に神社の様な日本風家屋を構える豪邸が並んでいる。背後に迫る山の木々と家屋とのコントラストに神々しさすら覚え、太陽光発電の話をしに来たよそ者に与える、ある種の圧迫感が洞察力を鈍らせていた。インターホンを押そうとしていたことを誰にも悟られない様にスローモーションで振り返り、駐車した車まで今来た道を引き返した。 「やっぱり・・・」 車までは三軒の豪邸が並んでおり、特に真ん中は平等院鳳凰堂さながらの風格で、道行く誰もがその建造物に心奪われる。その状況でよく気付いたと、まずは自分を褒め称えた。 車からの三軒、全て表札が'大田黒(仮名)'。調査の結果、近隣八軒中の五軒が同じ名字も、幸いにして他二軒は表札に名前の表記があったので対象は三軒に絞られた。 太陽光発電における土地取引に際し、気を付けなければいけないのは売主様、貸主様のご事情で、先祖伝来の土地を他人に委ねることを近所から親族に至るまで知られたくないケースも多々あり、買主、借主側からの情報漏洩には細心の注意を払わなければならない。三つのインターホンの中から一撃で引き当てなければ、背広を着た来訪者について後ほど地権者様が詰問に会うのは目に見えている。 土地仕入れ担当者の、腕の見せ所である・・・ ~つづく~
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