2016年3月15日火曜日

シリーズ:土地購入から太陽光発電所引渡まで(第4回)

こんにちは、私は太陽光発電用地の仕入れ、施工に携わっていますが、  
皆さんに太陽光発電所をお引き渡しするまでの物語について、シリーズで
お届けしたいと思います。 


【第一章 ~産みの苦しみ~ その③】  


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今日の流れから、ダメ元でかけた104も予想通り未登録で、あの人は相変わらず直留守、更にはまだ一軒目。これから向かう集落で同じ状況も予想されることから、一刻も早く三択の決断をしなければならない境遇に焦るばかりで、刻一刻と時間は過ぎていた。  

「平等院にしよう。」  

日頃からギャンブル運には自信があったが、今回の決断に至った理由はただ一つ、見慣れた太陽光発電のパネルが平等院別棟の屋根に設置されているから。太陽光発電に興味を持ち、自宅屋根に設置しているということは、太陽光発電に造詣が深く、再生可能エネルギーを推進されていて、結果、土地を提供する太陽光発電事業にご賛同いただけた・・。身勝手な連想の末、太陽光発電つながりを信じ、インターホンを強打。不安を払拭するため、40歳を目前にした中年が普段出すはずもない大きな声で、

 「ごめんくださ『東京の人かえ?』」 

食い気味で待ち構えたように差し込まれた返答の声は、平等院を囲う生垣の向こう側、 右隣の当初お伺いしかけた元祖大田黒様宅からで、平等院のインターホンを押してしまい、対応に戸惑う私を尻目に、生垣の隙間から健康的に日焼けされた顔を覗かせて大きく手招きをしている。まず一つの事実として、私は三択のギャンブルに負けた。 

                  ~つづく~

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